今回は服作りなどのハンドメイドのアクセントカラーの選び方について、作品例を挙げながら解説していきます。
「色の組み合わせはセンスの問題」と考えている人は多いのではないでしょうか。
もちろんセンスを磨くことは大切です。
でも知識でカバーできる部分も、意外と大きいです。センスに自信が持てないときに、知識があると心強いです。
前回は「ドミナントカラー」と「ドミナントトーン」について解説しました。
続きを見る【ハンドメイドの色の組み合わせ方】ドミナントカラーとドミナントトーン
前回は統一感のある配色技法だったのに対して、今回はアクセントをつける色の選び方について書いていきます。
アクセントカラーとは?
アクセントカラーとは、小さい面積で配色全体を引き締めるための色です。
配色がまとまりすぎて単調で平凡になってしまったときに、変化を与えたり、強調したりして、全体の印象を強くするのに効果的な方法です。
ポイントは対照的な色
アクセントカラーを選ぶときのポイントは対照的な色を選ぶことです。コントラストをつけることが大切です。
具体的なポイントは以下の4つです。
②くすんだ←→鮮やか
③寒色←→暖色
④色相環で反対側にある色
それでは1つずつ解説していきます。
①暗い←→明るい
暗い色と明るい色を組み合わせるとコントラストが効きます。黒は最も暗いので、【暗い←→明るい】の理論においてアクセントにしやすい色です。黒をアクセントにすると、見た目が引き締まります。シックな印象になるので、大人服と相性が良いと思います。
作例1:柄×黒
作者reniile様⇛Instagram
無料型紙⇛後ろリボンのギャザーブラウス
リバティプリントの柄の生地に黒を組み合わせた作品です。柄物は複数の色を使うので、全体としてはやわらかい印象に見えることがあります。そこに黒を部分的に使うことで、引き締まった印象になります。全体的に統一感がありながら、メリハリもある素敵なコーディネートです。
作例2:キナリ×黒
作者maru.maru.sewing様⇛Instagram
無料型紙⇛後ろリボンのギャザーワンピース(半袖バージョン)
キナリと黒の組み合わせはクラシカルな印象になりますね。わたしも大好きな配色です。シャツやワンピース、スカートだけでなく刺繍や小物作りにも応用しやすいです。失敗しにくいので初心者さんにもおすすめの組み合わせです。
②くすんだ←→鮮やか
彩度(鮮やかさ)が低いくすみカラーに、鮮やかな色をアクセントカラーにするとコントラストがしっかり効きます。
作例:くすみカラーの柄×鮮やかなオレンジ
作者alki_mois様⇛Instagram
無料型紙⇛ペチパンツのアレンジ
彩度(鮮やかさ)の低い落ち着いたカラーの柄をベースに、鮮やかなオレンジを組み合わせた作品です。
柄の中にもオレンジみのある色相が使われているので、アクセントカラーのオレンジと統一感があります。
タッセル風の飾りもおしゃれです。
【暗い←→明るい】でも解説しましたが、やはり、やわらかい雰囲気の柄物にアクセントカラーを使うとぐっと引き締まりますね。
③寒色←→暖色
寒色と暖色を組み合わせる方法もあります。このパターンではっきりとコントラストをつけるためには【暗い寒色と鮮やかな暖色】を合わせるのがおすすめです。
作例:青(寒色)×鮮やかなオレンジ(暖色)
作者wkn3a1212様⇛Instagram
無料型紙⇛後ろリボンのギャザーワンピース(半袖バージョン)のアレンジ
身頃に青がベースの花柄、袖と裾に濃く深い青、そして襟元と裾の切り替え部分に鮮やかなオレンジが配色されている作品です。
寒色(青)に暖色(鮮やかなオレンジ)のアクセントカラーが入ることによって、洗練された遊び心が感じられます。柄の組み合わせもかわいくて魅力的な作品です。
④色相環で反対側にある色
色相環で反対側にある色同士の組み合わせはコントラストが強くなります。
色相環とはこういうもの↓。
美術の授業で見たことがある人も多いのではないでしょうか。
色相環では隣合う色は似た色で、反対側の色(補色)は異なる印象の色です。
対照的な色を選ぶためには、色相環の反対側にある色を選びましょう。真正面ではなくても、反対側の両隣くらいは対照的な色となります。
作例:青×オレンジ
作者k.rid_makes様⇛Instagram
無料型紙⇛後ろリボンのギャザーワンピース(半袖バージョン)のアレンジ
なんと嬉しいことに海外からの作品です!
青とオレンジ(襟元、袖口、リボン)を組み合わせた配色です。
色相環では青とオレンジは反対側に位置し、対照的な色相の組み合わせです。
この作品は、オレンジの彩度が高すぎないので、派手になりすぎていません。ほどよくリラックスした雰囲気のあるおしゃれな配色です。
この配色は寒色と暖色の組み合わせにも当てはまります。インテリアやスタイリングも素敵ですね。
服作りでアクセントカラーを
入れやすい位置
・切り替え位置にパイピングコードやバイアステープを挟む
・カフス、袖口
・フリル
・ベルト
・ウエストのリボン
服作りではこのような位置にアクセントカラーを取り入れるとバランスが良いです。
まとめ
今回はアクセントカラーの選び方について解説しました。
①暗い←→明るい
②くすんだ←→鮮やか
③寒色←→暖色
④色相環で反対側にある色
今回作品掲載にご協力いただいた読者のみなさまありがとうございました。どれも素敵な作品で、今回考察したことで、私自身とても勉強になりホクホクしています。
柄物を使うと、なんだかぼやけた印象になることがあるよなぁ…と以前から思っていました。そういうときはアクセントカラーを効果的に使っていこうと思います。
色選びって楽しそう、色を組み合わせた作品づくりに挑戦してみようかなぁ!と誰かに思ってもらえたら嬉しいです。
それでは、また(^^)
\こちらもおすすめ/
【ハンドメイドの色の組み合わせ方】ドミナントカラーとドミナントトーン
続きを見る